季節の一枚

最近の撮影より


木製電柱
木製電柱 《平成29年1月上旬》
豊橋鉄道渥美線は、愛知県東部の中心都市、豊橋のJR駅に隣接する新豊橋駅から、渥美半島の根本あたり、旧城下町、田原市の三河田原駅まで走る、地元民にとっても地味〜なローカル線。 先の戦中、軍の要請により半島先端近くの堀切まで延伸の計画が立てられ、実際、旧渥美町の中心部までは路盤もほとんど出来上がり、後は線路を敷くだけながら、悲しいかな当時の資材不足から、逆に開通済みの終点付近の一部区間の線路が剥ぎ取られたという、悲しい歴史を持った路線でもあります。
現在は沿線の都市化も進んで、近郊電車の様相を呈していますが、設備面で見ると結構昭和レトロの魅力に溢れています。 それに気づいたのは恥ずかしながらつい最近のこと。 それまでは菜の花やキャベツ畑くらいしか思いつかない存在でした。
駅や踏切も魅力的なのですが、今回は架線柱。 わたくしの地元の名鉄蒲郡線もまだまだ木製が目につきますが、こちらは大規模な改修区間以外はほとんどが開設以来と思われる味のある電柱ばかり。 何処で撮っても絵にはできるのですが、今回は老津〜杉山間の、田んぼの中に長々と並走する地元中学校の通学路から見上げた姿。 その通学風景をうまく撮るアングルはないかと再訪して通り抜け、行きに雀が群れで架線にとまっていたので、そんなものも考えつつ移動しているうちに、ここで電柱を撮ってみようという事になりました。
無数に並ぶ電柱から、感じのよさそうなもの(と言ってもどれもほとんど同じです)を選んで手持ちで試し撮り。 背景の空に浮かぶ雲が偶然にもなかなか良い感じ。 念のため連写した画像を確認すればとりあえず不満無し。 刻々と移り変わる空はすでに満足のゆくものではなく、寒風吹きすさぶ線路にはすぐ先に残る第四種踏切へのお決まりの警笛で列車が接近。 そんなこんなで、わたくしとしては珍しい、満足のゆく手持ち撮影作品となりました。


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